「きゃっ……!」 
 
いつかの仮眠室。 
俺は彼女を部屋に入れると、ドアを閉め、ドア横の壁に彼女を押しつけた。 
「 約束。覚えてるな?」 
肌に触れんばかりに顔を近づけると、彼女は視線を逸らした。 
「………は、い……」 
「じゃあ何故だ。アイツに変に思われるのが嫌なのか?」 
多少の怒りが、無いわけではない。 
しかしそれ以上に、疑問がある。 
ついうっかり、いつもと同じように呼んでしまった……そんな感じではなかった。 
何か、意図があって。わざとそうしたように見えたから。 
 
「ち…ちが……」 
「俺との約束よりも、アイツの方を優先するんだな?」 
「やっ……!」 
ブラウスの中に手を滑り込ませ、下着をまさぐる。 
わざとホックを外さずに、そのまま乱暴にずり上げると。 
胸の頂点を擦り上げるきつい感触に、彼女は白い喉をあらわにしてのけぞった。 
「お仕置きだ」 
 
その瞬間、彼女の瞳に浮かんだ表情に。 
俺の方が驚いた。 
畏怖と恥辱に隠された、卑しい…期待。 
 
「……そうか」 
納得がいって、俺は意味ありげな笑いを浮かべた。 
「分かった。こうして欲しかったのか」 
「あ、あぁっ!」 
力任せに胸を揉みしだくと、彼女は痛みとも快感ともつかない悲鳴をあげる。 
そのまま口づけて、口内を蹂躙する。 
「ん……っん、ふ、ぅっ……」 
胸の突起は、とっくにぴりぴりと張りつめていて。 
きつく扱くたびに、びくびくと揺れる。 
俺は彼女の身体を裏返した。 
 
「……欲しいか?」 
上半身を壁に押しつけながら、それを取り出し、彼女の下着越しに擦りつける。 
「あぅ…!は、ぁっ……!」 
その刺激だけで達してしまいそうに喘ぐそこは、既に潤みきっていて。 
下着の上からでも、挿入できてしまいそうだ。 
俺は重ねて問う。 
「これが欲しいのか?水結」 
「んんっ……」 
荒い息をしながら、ひとつ呻くと。 
彼女は唇をわななかせながら手をスカートの中に入れ、濡れた下着をゆっくりと引き下げた。 
「ほ……欲し……ぃ…で、すっ………」 
壁に顔を押しつけて、半分振り向いた瞳が。 
切なげにゆがめられる。 
「よ、義人さんっ……おねがい……」 
間髪入れず、俺は彼女のそこに自分のものを突き立てた。 
「ひぁああっっ……!」 
 
いつもそうだ。 
彼女を組み敷いて支配しているのは自分のはずなのに、彼女の所作が、俺の余裕を奪ってしまう。 
腰を掴んで思い切り突き上げると、いくらもしないうちにその身体が震え始めた。 
「あ、あっ!あ、んっ、も、イッ…!」 
「まだだ。我慢しろ」 
表面は涼しそうにしていても、彼女の姿態と内部の収縮に、俺に残された時間もそう多くはない。 
いつもなら先にイカせてそれを虐めるネタにするのだが、今日の彼女はいつになく乱れていて、恥ずかしげにしてはいても淫猥なそぶりを隠そうとしなかった。 
「ぅんっ……お、願い、もぅ……イカせっ……!」 
「いやらしいな……ついさっきまで、オトモダチと普通に話してたんだろ? 
 アイツはお前がこんな淫乱だなんて、思いもしないんだろうな」 
「やっ……ちが……!!」 
拒絶する、恥じらう振りをしていても。 
言葉で責めるたびに、彼女のナカは達したかと思うほどに俺のそれを圧迫する。 
「あ…あっ、あっ、あ、あ、ぁっ」 
浅く息をつく、その間隔がどんどん短くなって限界を告げる。 
俺は彼女の耳に唇を寄せて、囁いた。 
「イキたかったら……イけよ。水結」 
「ひ、っ、…… !!!」 
与えられた言葉が、免罪符であるかのように。 
彼女は壁に爪を立てて、達した。 
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