拍手ありがとうございました!お礼メッセージ第四弾
<遙か3十六夜記 温泉イベントその後>
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一部、ゲームの温泉イベント時にいるはずのない人も混じってますが、その辺はパラレルでお楽しみ下さい。 |
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一部、2パターンある人も混じってますが(銀バージョンと重衡バージョン)、その辺も気にせずお楽しみ下さい(笑) |
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とても簡単な温泉イベントの説明
温泉に入っていると、男湯に女湯の声が聞こえてきた。
朔「一番気になる人は誰なの?」
神子「えーっと……」→選択肢
男どもは一気に耳ダンボに(笑)本来は九郎のイベントで他キャラは短い会話のみですが、こんなおいしいイベント、他キャラも欲しい!ということで書きました。 |
「敦盛さん…かなあ」
短い道程でかいま見た親しさから言って将臣か譲、それとも可愛がりようからいって白龍。
いや、神子も女性なのだから、どんな女性にも好かれるヒノエか弁慶かもしれない。
何の疑いもなくそう思っていた敦盛には、突然呼ばれた自分の名前が、まるで聞いたことのないもののように聞こえた。
「………………」
ぽちゃん、と手ぬぐいが湯に落ちる。
呆然とした彼をおかしそうに見たヒノエが、からかうように肩をすくめた。
「そうくるとはな……オレは姫君に売り込み方を間違えたかな」
「……っ!」
それを聞いた途端、かっと頭に血が上るのが分かった。
平然を装い手ぬぐいを掬い上げようとするが、うまくいかない。
ようやくそれを手に取ると、敦盛はにやにやと笑っているヒノエから目を逸らしながら吐き捨てるように言った。
「後に加わったから気にかけているんだ……妙な勘繰りをするな」
そうだ、そうとしか思えない。
彼女と出逢ったのは、朔が言うように三草山が初めてではないけれども、それでも春の京で逢ったのはほんの寸刻。彼女に慕われる理由など自分には何もない。
後に加わったから……それに、彼女が暗に示したように、自分の素性を知っているから それだけだ。
そう考えると、熱くなった頬が湯の中でも急激に冷えていくような気がした。
「ふわー、きもちよかったぁ」
湯殿場の外にあつらえられた長椅子に腰掛け、火照った頬を涼しい風に晒している彼女をちらりと見て、敦盛は人知れずため息をついた。
あれからさんざんヒノエと弁慶にからかわれたが、相手をする気にはなれなかった。彼らは何も知らずに以前と同じに接してくれるけれども、自分は前の自分ではないのだ。
ふ、と何度目かのため息をついたとき、ふと落ちかかる西日が陰った。
「どうしたんですか、敦盛さん?」
驚いて見上げると、すぐ前に神子がいて、笑いながら彼の方を覗き込んでいる。
咄嗟に言葉が出ない彼の横に、神子はなんのためらいもなくすとんと腰掛けた。
「なんか、元気なくないですか?疲れちゃいました?」
「いや……なんでもない。それより、神子」
せっかく身を清めたのに、私に近寄ってはいけない そう言いかけた彼を遮って、彼女は可愛らしく伸びをした。
「温泉っていいですよね、なんだかものすごく開放感にひたれましたー。
そういえばさっき、お風呂で朔に聞かれたんですよ。みんなの中で誰が一番気になるの?って」
「……!」
「敦盛さんたちも、お風呂でそういう話するんですか?」
「…………い、…いや……」
「でも、自分は言わないで人に聞くのって反則ですよねえ。そのうち絶対、朔の好きな人も聞き出してやるんだ~!」
「す……」
ぱた、と。
またも手ぬぐいを取り落とした彼を不思議そうに見て。
彼女はくすくすと機嫌良く笑った。
「あ。もしかして、私が誰って言ったのか、ちょっと気になります?
でもだめですよー。それは女の子同士の秘密なんですから!」
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