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<送られたメッセージ>


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お礼メッセージ第四弾(8種)は「遙か3十六夜」ネタバレですので、以下はOKな方のみスクロールしてください。














拍手ありがとうございました!お礼メッセージ第四弾

<遙か3十六夜記 温泉イベントその後>

一部、ゲームの温泉イベント時にいるはずのない人も混じってますが、その辺はパラレルでお楽しみ下さい。
一部、2パターンある人も混じってますが(銀バージョンと重衡バージョン)、その辺も気にせずお楽しみ下さい(笑)
とても簡単な温泉イベントの説明
温泉に入っていると、男湯に女湯の声が聞こえてきた。
朔「一番気になる人は誰なの?」
神子「えーっと……」→選択肢
男どもは一気に耳ダンボに(笑)本来は九郎のイベントで他キャラは短い会話のみですが、こんなおいしいイベント、他キャラも欲しい!ということで書きました。

 

 

「白龍…かなあ」

少し考えてから彼女がそう言うと、朔はさっと真剣な顔つきになった。
龍神の神子と、神子の龍。自分と自分の周りの人間しか知らない悲劇は、繰り返されてしまうのかもしれない。

「そう……なの」

掠れた声で答えると、目の前の親友が驚いたようにこちらを見た。

「な、何かまずいこと言っちゃった?」
「いいえ、そんなことないわ」

あわてて返しながら、朔はふるふると首を振る。
そうだ、悲劇になるとは限らない。彼女も、そして彼女の龍も、自分たちと同じ存在ではない。
どれほど似ていても、白龍があのひとではないように……この先の運命もまた、同じではないはずだ。
そう思ってほっとしながら、朔は彼女の手を握りしめた。

「私、何があっても応援するわ!絶対に幸せになってね!」
「幸せにって…そんな大したことじゃないよ?気になる人ってだけでしょ」
「あ……そ、そうよね。ごめんなさい」
「??」

不思議そうな視線を繕うように、手を離す。
そのまま意味もなく水面で湯を弾ませていると、突然、板塀の向こうから大きな水音がした。
継いで、とたとたと軽い足音も。

「……?」

二人が何事かと顔を見合わせたとき、入口の板戸が勢いよく開いて、青みがかった白銀の髪がふわりとたなびいた。

神子!」
「え?は、白龍!?」

びっくりしてその名を呼ぶと、白龍は嬉しそうに湯の縁まで駆け寄り、上から覗き込むように膝をついて神子を見つめた。

「神子。わたしも、神子のことがいちばん好き。大好き!」
「白龍、なんでここに……って、ええっ!?も、もしかして、聞いてたの?」
「うん、聞いていた。神子も、私をいちばん好きだと言った」
「す、好きとは言ってないよ、好きとは!」
「……好き、ではないの?神子はわたしのこと、きらい?」
「う……」

澄んだ瞳が愁いげに瞬いて、濡れた髪がぱしゃりと湯に落ちる。
やがて、まっすぐに向けられる視線に耐えかねたように、神子は顔を赤くして叫んだ。

「も、もう、分かったから!そんなところにいると風邪ひいちゃうよ!」
「わたしのこと、いちばん好き?」
「す、好きだから!だから早くお湯につかりなさい!」

恥ずかしさを隠すように厳しく言って、両手を伸ばす。
その手を取って湯に入り、にこにこと見上げてくる彼に、彼女はあきらめ顔でため息をついた。

「……もー。あとで譲くんに怒られても知らないよ、白龍は本当は向こうのお風呂なんだからね」
「それが人の決め事なのは分かるけれど、でも、私はやっぱり神子と一緒がいい」
「そりゃあ私だって、普段は白龍と一緒がいいけど。でも、一緒にいられない時もあるんだよ」

その何気ない台詞にふと、朔が胸の痛みを呼び起こされる前に、白龍はふわりと笑って神子の手をすくい上げた。

「大丈夫。私はあなたの龍だから、いつも神子と一緒。姿が見えなくても、離れていても、いつも神子と共に在る」

はっとして、朔は彼の瞳を見た。
私はあなたの龍。いつも傍にいる。離れていても、常に共に在る。
今まで思い出すのも辛かった最後の日の言葉が、急に違う意味に聞こえた気がしたから。

「……?朔、どうかした?」
「え、……あ。な、なんでもないわ」

我に返ったように、朔は彼女と彼女の龍を見返して。
少しだけ暖かくなったような胸に手を当てて、祈るように微笑んだ。


あなたたちが、幸せになれますように」