拍手ありがとうございました!お礼メッセージ第四弾
<遙か3十六夜記 温泉イベントその後>
※ |
一部、ゲームの温泉イベント時にいるはずのない人も混じってますが、その辺はパラレルでお楽しみ下さい。 |
※ |
一部、2パターンある人も混じってますが(銀バージョンと重衡バージョン)、その辺も気にせずお楽しみ下さい(笑) |
※ |
とても簡単な温泉イベントの説明
温泉に入っていると、男湯に女湯の声が聞こえてきた。
朔「一番気になる人は誰なの?」
神子「えーっと……」→選択肢
男どもは一気に耳ダンボに(笑)本来は九郎のイベントで他キャラは短い会話のみですが、こんなおいしいイベント、他キャラも欲しい!ということで書きました。 |
「一番気になる人は、誰なのかしら」
彼女の親友がそう尋ねると、男湯にさっと緊張が走った。
少しは女同士の内輪話が聞けるかと期待はしたが、まさかこんなストレートな話題が出てくるとは予想しなかったので、思わず周りを見回してしまう。
別段興味もない、という顔をしている者も何人かはいたが、それでも耳を澄ませていることは確かで。
余裕のない態度は取れない、と思っている何人かは、殊更に面白そうな表情を作って。
気にしない気にしないと思いこもうとしている何人かは、それでも気掛かりそうに眉を寄せて。
白龍だけは、自分が呼ばれることを全く疑っていない期待の目で。
全員が妙な沈黙を持って、板塀の向こうに神経を集中させた。
「そうだなあ…、一番って言うなら近いのは……」
彼女が考え込むように言葉を切ると、何人かがぐっと身を乗り出した。勢い余った白龍が板塀に詰め寄ろうとするのを、譲が慌てて引き留める。
その体勢のままで息を詰めて、皆の意識が女湯に集中した時
「朔だよ」
ありえない答えが、聞こえた。
「えっ?」
「みんなのことも気になるけど、私はやっぱり朔といるのが楽しいな」
嬉しそうに笑いながら、彼女は親友が落とした手ぬぐいをきゅっと絞って、ぽすんと頭に戻す。
呆気にとられた顔のまま、朔は頭の上のそれを確認して、もう、と少しだけ頬を染めた。
「だって、こうやって一緒にお風呂に入れるのも一番の友達も、朔だけだから」
極上の笑顔で親友にそう言われると、もちろん悪い気などするわけがなくて。
朔もふわりと微笑みを浮かべて、幸せそうに応えた。
「そうね。私も、一緒にいて一番楽しいのはあなただわ」
「ほんと、朔?」
「ええ、もちろんよ」
「嬉しい〜!朔だいすき!」
ぱしゃん、と跳ねる水音と、きゃあきゃあと楽しそうに騒ぐ声。
もう耳を澄ませなくても聞こえてくるそれらを背に、もう一方の湯殿はどんよりとした気に包まれていた。
「……こういうことになるとは、なあ?」(苦笑)
「……べ、別に、おかしいことはない……だろう」(動揺)
「参ったね。姫君の心がそんな所にあるなんて、思いもしなかったよ」(不本意)
「さすがにこれは、予想しなかったですねえ」(微笑)
「せ、先輩………」(悲愴)
「はははは……は」(空笑い)
「神子は、あの爛漫なところが……よいところなのだろう」(困惑)
「……………」(黙然)
「みこ〜」(泣)
各人が抱えた複雑な感情は、宿に入って就寝するまで尾を引き、神子二人を大いに不思議がらせた。
|