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 Crazy For You 3 

「………?」

俺が荷物を抱えて通用口から戻ると、座っていた彼は不思議そうにこちらを見た。
彼の聞きたいことは、すぐに分かる。
「ああ。みゆうちゃん、貧血だって。ちょっと休めば大丈夫みたいだけど」
「………」
心配そうな目は、今にも様子を見に行きたいという感じだったけど。
さすがにそれを言い出すことは憚られるようで、黙り込む。
「オーダー、コーヒーだったよね?俺が淹れてもいいかな?」
笑ってそう言うと、彼は無言で眉をひそめた。

「……あいつの……」
そうして、口を開いた彼の台詞は。
全く別の話だった。
「あいつの。……恋人、なんですか」
「え?」
カップを用意していた手が止まる。
じっと見る、というよりもむしろ睨み付ける彼に、俺は苦笑した。
そんなことを面と向かって聞けるなんて。やっぱり、若い証拠だよね。
「……さぁ、ね。そういえば、好きだと言われたことはないな」
あっさりと言うと、彼は何か言いたげに口を開きかけ、また黙った。
敵意をむきだしにしているライバルに、何故そんな弱音を吐くのかといぶかる視線。
それがおかしくて、俺はくすくすと笑ってしまう。
「……じゃ。……恋人ってわけじゃ、ないんですね」
笑ったのが気に入らない様子で、憮然とした彼に。
俺はすまして肩をすくめた。
「そうだね、どうなんだろうなぁ。『あなたを誰にも渡したくない』とは言われたことあるけど」
「………」
「呼び捨てにして、とも言われたし。仕方ないから二人っきりの時は名前で呼び合ってるけど」
「…………」
「俺の店に入り浸ってることも、よく俺の家に泊まることも、もう親公認みたいだしなぁ」
「……………!」
「どうなんだろうね?」
にっこりと笑顔を向けると、彼は整った顔を引きつらせて絶句した。


ごめんなさい!マスターさん」
ぱたぱたと足音を響かせながら、彼女が戻ってくる。
「みゆうちゃん、もう大丈夫?」
「はい」
俺が声をかけると、彼女は少し照れくさそうにしながら微笑んだ。
「そう。じゃ、友達のコーヒー淹れてあげて?彼、待ってたみたいだよ」
「え?」
振り向いて、硬直してる彼を不思議そうに見る。
「あ、ゴメン。じゃ、すぐ用意するね?」
笑いかけながら、彼女は彼の前に置いたままだったメニューを手に取った。
そのままカウンターに入って、サイフォンに挽いた豆と水をセットし、バーナーに火を付けかけた時。
彼女はふと、手を止めた。

「……マスターさん……」
困ったように、俺を呼ぶ。
「ん?」
「……溢れて……」
「あれ?もしかしてサイフォン、壊れちゃった?」
あわてて傍に寄り、サーバーをチェックする。
サイフォンは圧力がかかるから、ボールにヒビでも入っていようものならすぐに割れてしまう。
でも、見たところ特に異常はなさそうだ。
うん。壊れてはなさそうだけど……?
不思議に思い、彼女をのぞき込むと。
彼女は、頬を染めてぎゅっと目を閉じ、かすかに震えている。
俺はピンと来た。

「おかしいな……」
足下の棚を探るフリをしながら、彼女の傍にしゃがみ込む。
至近距離で見た、彼女の内ももに。
見覚えのある、粘り気のある液体が、とろとろと伝っているのが見えた。

立て続けに2回も、ブチ込んでやったから。
おそらく、彼女のナカは俺の体液であふれているのだろう。
ククッ、と喉の奥で笑うと、彼女はそれに反応してますます顔を赤らめた。

「そっか」
そう言って、俺は立ち上がった。
「ごめんね。服、汚しちゃった?着替える?」
「い……いえ。いいです」
「そう?」
くすくすと笑いながら、俺は、彼女の服を払う動作をした。
そのまま。拭かずにいるんだ、いいな?」
小さく囁くと。
目を閉じたまま、彼女はかすかに頷く。
「いい子だ」

客が帰ったら、どうしてやろうか。
まず、自分で一枚一枚、服を脱がさせて
どこにどんなふうに溢れているのか、いちいち言葉で確認させて
外に流れ出た体液を全部、指ですくい取って、舐めさせてやろう。

そんなことを思いながら見つめると、おぼつかない手つきでコーヒーを用意していた彼女は、視線の意味を悟って身をすくませた。
「……みゆうちゃん?」
「は、ハイ!」
「お客さんが待ってるよ。早くね?」

早く帰ってもらわないと、我慢できなくなるのはお前だろ?

心の声を感じ取ったかのように、彼女はコクンと頷き、友達の元へコーヒーを運んでいった。

FIN.

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