「…ん…ん……っ!」
荒々しく口内をかきまわされ、声にならない呻きが喉を突く。
誘われるようにセイランは少女のブラウスに手を掛けると、派手な音を立ててそれを引き裂いた。
「あっ!……くっ……」
噛みつかれる刺激が、少女の体を火照らせる。
首から肩、胸へと肌を傷つけられていく感覚に、アンジェリークは薄く目を開いたまま小刻みに震えた。
「……さて。どうしてほしいんだい、アンジェリーク?」
胸の先端に到達する間際、セイランは意地悪く唇を離すと、真面にアンジェリークを覗き込んだ。
飛んでいた意識が突然戻り、頭に血が昇るのがわかる。
「なにを……してほしい?言ってごらん」
つっと耳に触れられるだけで、少女の全身は過敏に反応する。
びくんびくんと体を弾ませながら、アンジェリークは辛うじて残った意志の力で弱々しく首を振った。
セイランの苛立ちは爆発的に煽られていく。
「まだ、そんな力があるの? 全く…快楽を知った体は強情だね」
思いきり毒を含ませてそう言うと、セイランはいきなり少女の足を持ち上げ下着を剥ぎ取った。
「いっ……あ、…っあッ……!」
潤みかけたそこが、侵入者に対して激しく抵抗する。きつく戒められる指を強引に抜き差しすると、粘膜をこする卑猥な音が部屋中に響いた。
「ほら、聞こえる?もうこんなに濡らして……こんなに締め付けて、そんなに僕が欲しいの?」
「いやッ……セ…イランさま、……やめ……」
囁かれる言葉は、少女を耳から犯していく。頬から胸へ、幾粒もつたう涙を隠すように、アンジェリークは身をよじって椅子の背もたれを抱えた。
瞬間ふわりと体が浮く感覚がして、乱暴に向きを変えられる。気がつくと、アンジェリークは椅子の背に手をつく形で後ろを向かされていた。
「な…に、やだっ、セイラ……ひっ!」
ぐっ、と腰に力が入る。十分にぬめりを帯びていても全身を痛みで貫くほど、それは荒々しい行為だった。
ゆっくりと揺らされる痛みが、奥深くまで刻み込まれる。言葉もなく、ただ息を呑んで耐えながら、アンジェリークは無意識に助けを求めるように視線をさまよわせた。
その瞳にその時、窓越しの階下を通りがかる人物が映った。
「!いやッ、セイラン様ぁっ!! 」
弾かれたように身を伏せる少女を見、視線を転じたセイランの瞳に、蒼い炎がゆらめく。
必死で隠れようとする少女の胸を鷲掴みにしてぐいと引き寄せ、セイランは仰け反らせるようにその肌を陽にさらした。
「いやあッ、見…られ……っひ、あっ……!」
抵抗する力を、首筋への口づけが奪う。普段の彼からは考えられないほど情熱的で熱いキスが波となって、少女の悲鳴を浅い呼吸に変えていく。
もう、なにも、かんがえられない。
「………だよ……アンジェリーク……」
荒れ狂う嵐のような混乱のなかで、アンジェリークはかすかな囁きを聞いたような気がした。
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