「ひ、ぁ、ん……!」
余裕のない嬌声。弾む息。交わりあう汗の雫。
俺の上で、彼女が辿々しく体を揺らす。
挿入して確かめなくても、彼女の経験は察しがついた。
けれど、俺は。
手加減する気はなかった。
彼女は最初、つらそうに顔をしかめて、痛みの悲鳴を押し殺していた。
それでも。
繋がってる所の少し上を指で探ると、狭い内部をますます締め付けてきて。
上半身を起こした俺が、足を大きく広げさせると、深くなる結合に喘ぎ声を上げた。
「イイ…か?」
突き上げながら訊くと、彼女はイヤイヤをするように首を振る。
「言えよ。……イイんだろ?」
だけど、俺は許さない。
答えようとしない態度に、律動を止める。
「やっ……あっ」
彼女はものほしげに、腰を揺らしかけて。
見つめる俺の視線に気づき、目を伏せた。
「んんっ……やだ…ぁ、義人さ…ぁんっ」
耳元で、甘くねだる声。
「続けてほしい?」
少しだけ温度を下げて俺が言うと、彼女は頷き、弱々しい声でなにか囁いた。
「聞こえない。どうしてほしいんだ?」
「……! い…じ、わる……つッ!」
顔を紅潮させて、反駁する彼女の肩に。
血が滲むほど、歯を立てる。
「言えよ」
歯形からこぼれる血液を舐め取りながら、もう一度言う。
彼女は、身を震わせながら 陥落した。
「………っと……も、っと…して……」
「ここを?」
後ろから手を回して、結合部をぐるりとなぞる。
「………! そ、こ……そこ、もっとして……!」
「……いい子だ」
俺がそう、許可を与えると。
彼女の表情が、浅ましい悦びに染まった。
ぐい、と彼女を押し倒し、細い足を抱える。
「あ、んっ……あ、あ、あぁっ!」
ぐちゅぐちゅと、体液が泡立つ音がする。
俺は抜き差しを繰り返しながら、足の指先を舌で愛撫した。
びくびくと、痙攣する体はそれだけで過敏に反応して。
今にも達してしまいそうに、俺を締め付ける。
「ひんっ……ふぁ、あ、も…や、やめっ……!」
「?」
うわごとのように喘ぐ唇にくちづけて、俺は彼女の名前を呼んだ。
揺さぶられる、トリップした瞳が、少しだけ開かれる。
「中に……出すよ。いいのか?」
「!!」
俺がわざと、薄笑いながら辱めるように言うと、彼女の瞳が一気に見開いた。
本当は、そんなことするつもりじゃなかった。
でも、彼女の全てを自分のものにしたくて。
嫌だという彼女を、支配しておきたくて。
わざと、蔑むようなことを言う。
もしかしたら、泣くかと思った。
それとも冷めて、怒り出すかと思った。
けれど。
「ん……」
覆い被さる俺を、力の入らない両手で抱き寄せて。
俺の、耳朶をぺろりと舐め。
「いいよ……ヨく、…して……」
囁いた、かすれた艶めかしさが。
俺の余裕を、全て奪ってしまった。
「あ、ふ、ぁ……ああっ、よ、…し、ひっ……」
肉欲のままに体を進めると、涸れてしまった声で俺の名を呼ぶ。
もう、快感だか何だか分からなくなってしまっているような、呻き。
「ダメっ……ダメ、……ィく、ッ……!」
びくん。と体を引き攣らせて。
彼女の中が、痛いほど窮屈になったところで。
俺は汗で肌を滑らせながら、彼女の奥に迸りを叩きつけた。
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