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 大人の約束 3 

その一瞬の、圧迫感。荒らされたことのない未踏の地に押し入った侵入者を排除するための、身体の反発。
そこが潤っていることとは別種の抵抗に、男は気づかずにはいられなかった。
?!」
「……はい?」
目の前の少女の様子は、さほど苦しそうには見えない。だが、彼女の自己を律する意志の強さを知っている彼は、重ねて口を開いた。
「君は……。経験があるなんて嘘だね?」
「そんなこと、ないで……ひぁっ!」
虚勢を張りかけて、気が緩んだところに腰を揺らされ、少女は細い悲鳴をあげた。
含まれる声音のほとんどが辛苦の叫びであることが、言った本人にも分かってしまう、悲鳴。
少女はばつが悪そうに口をつぐんだ。
……正直に言ってごらん。どうして嘘なんかついたんだい?
 私が、つまらないことを言ってしまったから……私のために?」
「違います!」
思わず叫んで、少女は視線を横にそらした。
「そりゃ、少しは……天之橋さんにもう我慢なんかしてほしくないって思ったけど……でも、違うんです。
 わたし……自分が恥ずかしくて……」
「恥ずかしい?」
意外な言葉に、男は驚きの声を上げた。
「初めてなのは、恥ずかしいのかね?」
「だって!まるっきり……経験ないなんて、ぜんぜん余裕がないじゃないですか。
 そんなの……天之橋さんの好きな、大人のレディじゃないから……」

その一言で、彼には先ほどの彼女の涙の意味が分かった気がした。
経験者らしく、レディらしく優雅に振る舞おうとして、しかし、指とキスだけで追い上げられてしまった自分。
そんな自分が、彼女にはたまらなく嫌だったに違いない。
彼は半分苦笑しながら、少女の顔を両手で包み込んだ。
「可愛いよ、……そのままの君が一番、私にとって愛おしい。
 いいかい、もう二度と、自分を飾ろうなんてするんじゃないよ。君はどんなときでも、そのままで立派なレディだから」
「……本当に……?」
涙目のまぶたに、肯定のキスを贈る。
少女は小さく笑って、安堵の息をついた。

「しかし……どうしようか。続けるのも……」
少女が自分以外の男を知らないと分かって、彼の渇望は幾分やわらいだ。
だが自分の指だけで可愛く達してしまい、それが自分の好みではないと思って泣く、そんな少女の所作が、再び彼の欲求を刺激してもいた。
こんな状態で悩むのも我ながら情けない、と思いつつも、何事もなかったかのように続けることは気恥ずかしくてできない。
少女は首を振り、彼の背中に手を回した。
「いえ……あの、このまま、……お願いします」
「……いいのかい?だいぶんつらいと思うが」
「いいんです。あの、私も……快楽じゃなくて、天之橋さん自身が……ほしいから」
切れ切れに耳打ちされる言葉。彼女にそれ以上言わせることは、できなかった。

「ん……っ」
ゆっくりと揺らすと、少女が顔を少し引きつらせた。おそらく痛みを抑え込んでいるのだろう。表に現れている何倍も、痛みがあるに違いない。
内部はズキズキと脈打っていて、少女の辛さが伝わるかのように、彼は顔をしかめた。
「大丈夫……か?」
無駄な言葉とは分かっていても、そう声を掛けずにいられない。
少女はそれを察して、苦笑した。
「だいじょうぶ、ですってば。思ったよりつらくないです……っていうより、あの……」
はあっと大きく息をつく、その頬が赤みを増している。
「……と、いうより?」
言いながら、ふと思いついて親指で少女の胸を探ると、縮こまっていた体がびくんと跳ねた。
「あ…の、……っ少し痛い、…けど……」
「……けど?」
しつこく問いかけながら、再び首筋に口をつける。
「んんっ……や、ぁ……」
弱々しく肩を押す、その仕草に甘い感触を覚えて、男はようやく安堵した。
少しだけ、律動を強くすると、堪えられなくなったように唇が開かれた。
「ふぁあっ……!」
同時に、卑猥な水音が部屋に響く。
急に抵抗が無くなって、思わず彼女の奥まで滑り込む。
「は…っ」
一気に締め付けられて、思わず息を詰める。
「あっ、あ、……ダメ……も、ぅ、っ……」
拙く限界を告げる少女。彼女と同じ熱に浮かされながら、男は自分で信じられないほどの歓喜を感じた。

「く………!」
「ひぁ、…あ…あ……!!」
耳元で名前を呼ばれ、熱い呼気を感じただけで。
少女の意識は一気にはじけた。

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