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    てのひらに乗る魔法    

 

「あっれー。おかしいな」

ベッドの上でごそごそと手を動かして、咲弥は怪訝そうに呟いた。
手元には大きめの革のバッグ。同じ革でも、今着ている服とは面白いほどにそぐわない。デザインの趣味や縫製も違うが、まずそれ以前に素材が違う。
なめらかな合成革で緻密に作られたそれは、咲弥がこの世界に来たときに掛けていた鞄だった。普段からいろいろ放りこんだままにする性質なので、普通のOLが持ち歩くような小型のバッグに比べたら容量が半端ではない。
結果、何か探そうとしても簡単には見付からず、延々探し続ける羽目になるのだった。

「内ポケットにもない、ポーチにもない、外ポッケにもない。……どこ入れたっけな?」

うーんと悩んでみるが、全く思い出せない。
探しものは、どこにでも入りそうな小さな物。思い出すには元の世界での記憶を辿らなければならないのだが、この世界に来てからあまりに大事件続きだったので、来る前に何をどこにしまったかなどすっかり忘れてしまっていた。

「あー、だめだ。急がば回れだ!」

しばらく掻き回してから、咲弥は大げさに決意すると、広いベッドに中味を広げ始めた。
化粧ポーチ、財布、カードケース、クリアファイル、メモ帳、ポストイット、文具入れ。単行本、書類、薬ケース。飴にガムにチョコレート、名刺入れに定期入れ、キーケース、USBメモリ、カードアダプタ、充電器、イヤホン。ハンドタオルにティッシュ。扇子に折り畳み傘にレジバッグ。
その他ごちゃごちゃと小物が詰まっていて、最後にひっくりかえすとガムの包み紙や小銭が転がり出てくる。

「うううん……さすがに汚ねーなあ。ちょっと整理しないとダメだなこれは」
「サクヤ様、ご用意が出来ました。……先程から何をされているのですか?」

当初の目的を忘れて唸っているところへ、部屋の隅でお茶の用意をしていたイルゼが声をかけた。

「いや、ちょっと探し物してんだけど、あまりの無法地帯にうんざりしてたとこ」
「これは……サクヤ様がお国許より持っていらした物、ですね。何かお手伝いいたしましょうか?」
「あ、そーだな。んじゃこれくらいの輪っかになってる紐みたいなの探してくんない?色は黒だと思うんだけど」
「はい。何に使うものですか?」
「髪ゴムだよ。えーと、伸び縮みする素材で出来てて、髪を一纏めにするのに使うんだ。
 今使ってる麻ひもでもいいんだけど、剣の稽古してたら解けたりするから、やっぱゴムが欲しくて〜」

さすがに混じっているゴミだけは脇に弾きつつ、咲弥は広げた中身を乱暴に均した。
イルゼは注意深く観察しながら、容易に手を触れようとはしない。傷つけてはいけないと思うのと同時に、見たことのない怪しげな物を触るのは抵抗があるのだろう。
そのうち、書類に埋もれた妙なものを見つけて、彼女は少し首を傾げた。

「……これは?小箱のようですが、この中ではありませんか?」
「ん?」

失せ物を探すよりゴミを選り分ける方に執心していた咲弥が、イルゼの指さしたものを見る。
そこには、いかにもこの世界にそぐわないつるりとした質感と形態。

「あ。……それ、そんなとこに入ってたんだ」

懐かしそうに手に取った咲弥が何かすると、それはイルゼが聞いたことのない音を立てた。
楽器のような、鐘の音のような、甲高い音。
びくりと身を震わせて、イルゼは思わず数歩あとじさった。

「な、何ですか?今の変な音は!」
「だいじょぶ、危なくないよ。これは俺の世界の機械で

苦笑しながら言いかけて、その言葉がふと止まる。

「あ……」
「サクヤ様?どうかされましたか?」
「……………」

自分からは見えない方の側面をじっと見つめて考え込む咲弥に、イルゼは心配そうに尋ねた。
ほんの少しだけ、その顔が感傷を帯びたような気がしたからだ。
彼女がもう一度聞く前に、咲弥は突然立ち上がると、荷物を放り出してベッドを降りた。

「悪い、イルゼ。ちょっと出てくる!」
「は、はい。行ってらっしゃいませ」
「荷物そのまま置いてていいから。んじゃ!」

言い置くと、咲弥は身軽に走って部屋を出ていった。

 

◇     ◇     ◇

 

それからしばらく後。
白の塔の外周部で最初にそれを見つけたのは、城外から戻ったばかりのファラミアだった。
この時間、外壁に面した回廊では窓から差し込む夕日が美しい。彼の管理下にある北イシリアンの拠点ほどではないけれど、晴れた日は石壁に映える光がまるで絵画のように輝いて目を誘う。
色の反射を楽しみながら回廊を歩いていると、前方に見知った影がうろうろしているのに気づいた。
窓から身を乗り出して懸命に手を伸ばしている姿は、まるで虹色に染まった雲を掴もうとしている幼子のように見えた。

「サクヤ、……?」

そんなに夢中になっていると落ちますよ、と言おうとして、足を止める。
案の定バランスを崩しかけて慌てている咲弥の方から、妙な音が鳴り響いたからだ。
鳥の声のような音だったが、辺りに自分と彼女以外の生き物の気配はない。なのにそれはあまりにも間近で聞こえた。
或いは敵の放った間者か妖か、と思わず腰の剣に手を延ばしながら、彼は急いで歩幅を上げて彼女に近づいた。

「あ、ファラミア」

しかし、その傍まで辿り着く前に咲弥は彼に気づき、体ごと振り返った。

「おかえり、ごくろーさま!いーとこで会った、写真撮っていい?」
「た、ただいま戻りました。……しゃしん、ですか?」
「えーと、説明するより見た方が早いから……ちょっとじっとしててね」

たじろいだまま頷くと、にまっと笑った彼女は何やら小さな箱を向けてくる。
瞬間、甲高い音が大きく響いて、その箱の丸い部分が明るく光った。
先程の音はこれか、と、ファラミアは苦笑して剣から手を離す。
咲弥が他の世界から来た、ということを当たり前のように信じている彼だったから、その手に見たことがない物があっても驚くには値しないと思っていたし、彼女が扱っているならば怪しいものではないとも思った。
どちらかといえば、未知のものを体験させてもらえる機会を喜んでいるくらいだ。もしこれが他の者であれば、詳細を聞いて危険ではないと納得するまで使用を許さなかっただろう。

「それで、どうなるのですか?」
「うん。今押したボタンで写真は撮れたから……こっちきて見てみな〜」
「?」

近づいて、示されたその箱を覗き込む。
そこには、小さな小さな肖像画のようなものがあった。手のひらで隠れるくらい小さいのに、絵の精度は見たことがないほど高い。
もっと驚くべきことは、今の周りの状況がそのまま描かれていることだ。『しゃしん』を『今』『とった』と言っていたから、それは予め用意したものではなく今できあがったものなのだろう。
ファラミアは感嘆の息をつきながら、くっつきそうなほど目を近づけてそれを眺めた。

「すごいです……これは、その場の景色を一瞬で写し取るものですか?」
「え、すっげ。なんでわかんの?」
「いえ、原理は分かりませんが……魔法使が光で空中に絵を描くようなものかな、と思いまして」
「さすがファラミア、鋭い。まあ、詳しい原理は俺にもわかんないんだけどさー」
「原理が分からずとも、このような精巧な物が作れるのですか?」
「うん。これは魔法みたく自分の力じゃなくて、この機械が勝手にやってくれるんだよ。カメラっていうの。
 この機械自体は遠くと通信するためのものなんだけど、付加機能っていうのかな。おまけだからあんま性能良くない」
「私から見れば、これでも十分素晴らしいと思います……あ、何か白くなって……?」
「ファラミア、顔くっつけすぎなんだよ。曇ってる曇ってる」
「す、すみません!汚してしまったのですか!?」
「いや、窓に息かけると曇るだろ?それとおんなじ。拭くと直る」
「そ、そうですか……よかった。このような素晴らしいものを汚してしまったかと」
「ファラミアでも撮れるよ?やってみる?」

画面から目を離さない彼にそう言って携帯を差し出すと、ファラミアはぱちぱちと目を瞬かせて咲弥を見た。

「しかし……もし、仕損じたら」
「だいじょぶ。変なとこ触っても危険はないし、落としたりしない限り壊れないから」
「本当ですか?手順を間違えてしまっても?」
「うん、失敗作ができるだけ。えーと、ここを持って、撮りたいものに向けるとここに映るだろ」
「これは、この箱が見ている目線ですね」
「で、このままだと映ってるだけだから、このボタンを押すとそれが保存され……うあ、やめろ!こっちに向けるな!」
「え?危険はないのでしょう?」
「撮るのは好きだけど、撮られるのはあんま好きくない!あ、ほら、格好の被写体が歩いてくるじゃん」

その言葉に目を上げると、回廊の向こうから歩いてくる影が見えた。
ファラミアは小さく笑んで、大切そうに持った携帯をこっそりとそちらに向ける。

「……これでいいのですよね?あなたほどうまくはできませんが……まるで時間が切り取られたようだ」
「面白いだろー」
「ええ。サクヤ、これと同じ物を作れませんか?色々使い途がありそうです」
「あー、無理。ものすごい精密機械だし、もし原理が分かっても部品や材料がないよ」
「長い時間をかけても、ですか」
「うん。それ以前に電気ないから、これももうすぐ駄目になるんだよね」
「……おまえたち、こんなところに集まって何をしているんだ?」

画面を見ながら話している二人に、そばまで来た男が声を掛けた。
珍しく、部屋着のような私服を纏っている。彼は城にいるときでも革鎧や簡素な甲冑を着ていることが多く、こんな薄着をしていることはめったになかった。
そういえば、今のファラミアはそれとは逆に正装している。外出先で要人と会う予定でもあったのか、フード付きマントだけはレンジャーのものだったがそれ以外は正式な騎士の装いで、いつもより数段立派に見えた。

そうだ。これは今のうちに撮っておかねば!!

我に返り、咲弥はファラミアから携帯を返してもらうと、一歩引いてシャッターを押しまくる。
ピピッピピッと立て続けに鳴る不審な音に、男の眉根が盛大に寄った。

「なんだ、それは。城の中で妙なものを使うんじゃない」
「大丈夫大丈夫。ボロミアちょっとじっとしてて」
「何?私がなんだと?それはなんだ?」
「んー?これは俺の世界から持ってきた機械で、ケータイっていうの」
「けーたい?その音は何の合図だ」
「いや、別に意味はないよ。音が出るだけ☆」
「……本当か?」
「ほんとほんと。もーすぐ使えなくなっちゃうから、今のうちに音出しとこうと思っただけ〜」

訝しげなボロミアにそう嘯くと、俯き加減で忍び笑いをしていたファラミアがふと顔を上げた。

「使えなくなるのですか?どうして?」
「もう電池なくなりそうなんだ。こっちの世界に来たときに電源切っといたんだけど、自然放電するんだよなあ」
「……ええと」
「ああ、えっと、動かすための動力がなくなるんだよ。それはこっちの世界では補充できない、だから使えないってわけ」
「そう……なのですか。それは残念です」
「うん、でも撮った写真は中に残るから。向こうの世界へ帰って充電すれば、また見られると思うんだ」
「!」

咲弥が何気なく言った言葉に、一瞬ファラミアは声を詰まらせた。
少し動揺しながら目を向けると、兄も同じような顔をして自分を見ている。

「さっき荷物の整理してて見つけてさ。どうせ近いうちにただの箱になっちゃうから、写真いっぱい撮っとこうと思って。
 そしたら、帰ってもこっちの景色が見られるだろ?」
「……………」
「いつになるかわかんねーけど、帰っちゃったらやっぱ寂しいじゃん。せっかく仲良くなれたんだし〜」
「……………」
「そんな時、写真があればいいと思うんだよ。ペレンノールとか白の塔とか、それから勿論ボロミアもファラミアも」
「……、そう、だな」
「?どした?」

なんだか神妙になってしまった雰囲気をようやく察して、咲弥は携帯から視線を上げた。
兄弟は目で会話するように、じっと黙り込んでいる。

今まで咲弥が元の世界の話をするとき、そのほとんどは過去形だった。
自分のところではこうだった、こんなものを使っていた。興味のあるなしは別にしても、それらはしょせん別次元の話で、ボロミアもファラミアもたいして気にはしていなかった。
けれど今言ったことは、これから先の話だ。今ここにいる咲弥の、未来の話。
いつの日かそれを再び見るとき、咲弥はこの世界のどこにもいないのだと思うと、名残惜しいような不可解であるような訳の分からない違和感を感じた。

「……いや、なんでもない。そういえば、調査の方も滞りがちになっているな」

言葉を濁しながらボロミアが言うと、ファラミアが待っていたように同調する。

「そうですね。特に目立った進展はありませんから、もう少し範囲を広げてみましょう」
「ん?俺が帰るための調査のこと言ってんの?それなら、別に急がなくてもいーんだぜ」
「いや、急がせよう。調べたからといって成果があるとは限らん。先手を打たねば」
「そお?まあ、調べてくれるのはありがたいけど……」
「そういえば、それは遠くと通信する機械と言っていませんでしたか?それで故郷と連絡できないのですか」
「そうなのか?何故そんな重要なことを早く言わんのだ!」
「え、いや……通信ったって、基地局とか電波とか色々あって、だなー」
「それなら、動力が無くなる前にやらねば取り返しがつかんではないか。こちらでは補充できないのだろう!」
「だー!盛り上がる前に話聞けよ、圏外なんだからどーにもなんねーんだよ!できるなら最初にやってるっつーの!
 あっちに連絡さえできれば最悪帰れなくたっていいんだから、ケータイなんかが通じるなら世話ねーよ!」

一気に色めき立ちかけたボロミアは、その途端にぴたりと動きを止めた。
あっさりと言われた言葉は、本心なのか虚勢なのか。素直に聞けば帰れないことさえ覚悟しているようにも取れるが、それをこんな風に軽々と話せるものだろうか?
ボロミアなら、そしてファラミアならば、ゴンドールに帰れなくなったら平然としてなどいられない。日々手を尽くし、奔走し、家族や民や我が身を憂い、他のことを考える余裕などないだろう。

本当に、何を考えているのか……。

咲弥の考えが理解できないのは今に始まったことではないけれど、それにしても、帰れなくてもいいとは穏やかな台詞ではなかった。
普通なら辛いことを言わせてしまったと謝る場面だが、この場合それも違う気がして、黙ったまま大人しく頭を垂れる。
大の男二人、しかもゴンドールの大将と総大将が揃って身を縮めるのは、端から見れば滑稽に見えただろう。たぶん黙るだろうなーと思いながら敢えて言ってみた咲弥も、予想以上のお宝ショットをばっちり画面に納めてから、堪えきれずに口元を緩めた。

「まあ、とりあえずコレはアテになんねーから、調査の方よろしく。それは交換条件なんだから遠慮なく頼むぜ?」
「……あ、ああ。勿論だ、約を違えるようなことはしない」
「私も、部下を配して調べさせます。東や北は私の部隊の方がよく動けますし」
「うんうん、無理しない程度によろしく頼むよー。じゃあ前払いのお礼として、俺の世界の写真でも見せてやろっか?」
「サクヤの世界のしゃしんを!?」
「おい、何だ。先程から言っているそのしゃしん、とは何のことだ」
「まあまあ、見れば分かるよ」
「けれど……それには動力を使うのではありませんか?あなたが見たくなった時のために、取っておいた方が」

興味と気遣いの間で揺れるファラミアに笑って、咲弥は携帯を振ってみせた。

「別にいいよ。どうせもう電池保たないし、無駄にするくらいならパーッと使い切っちまった方が気が楽だ」
「……本当に?」
「ああ。それに乾電池の方はまだ保つだろうから、いざとなれば充電器が使えるしな」
「かんでん…?」
「いや、何でもない。んーと、とりあえず俺の好きな映画の待受写真をー」
「だから、しゃしんとは何なのだ!私を除け者にして話を進めるな!!」

ぶつぶつと文句を言うボロミアと、すでに瞳が輝いているファラミアの異世界体験は、電池がついに尽きてしまうまで続いた。

 

つづく 

 

 

 

お久しぶりの咲弥です!
これは途中まで出来ていたんですが、途中からシリアスに入ってその境目がぶった切りでどうしよう……というところで止まっていました。
今回アップするにあたり、そのへんは次回へ回しました!ぐだぐだ会話楽しい!w
そろそろ戦場に出したりローハンに行ったり事件が起きたりしてほしいのですが、ついついファラミアが好きで困ってしまいます。あと蔑ろにされる総大将も好き。しゅーんってなってる写真ほしすぎるww

相変わらず「この世界に窓ガラスってあったっけ?」「肖像画……はあるよな?」等々、いろいろ怪しいですがまあ、二次三次創作なので気になさらず。玻璃瓶があるんだから窓ガラスだって!と思ったのですが……あ、フロドの家には窓ありますね。じゃあゴンドールにもあるだろ。
そういえば用語解説やろうかと思ったんだけど、むしろ1〜10話にやらなきゃだめだったなw
基本的なものだけ今更やります。今更。


■作中用語解説(1〜10話含む)■

ゴンドール:人間の王国。今は三方を敵に囲まれた最前線として、防衛線のまっただ中。千年前から王の後継者が絶えているので、執政が代わりを務めている。
ミナス・ティリス:今のゴンドールの王都。7層の白い石の都。一番上に王や執政の住まう場所がある。すげえ高い。
デネソール:今のゴンドールの執政。息子はボロミアとファラミア。聡明なファラミアより勇猛果敢なボロミアを偏愛している。
ローハン:ゴンドールの西にある友国。豪放な馬の司の国。
ヌメノール:話せば長いことながらw語弊があるけどまあ「昔、神に恩寵を与えられた人たちの子孫」みたいな感じ?血が濃いと未来が見えたり遠くが見えたり長寿だったりいろいろと特典あり。
レンジャー:野伏。ゴンドールに属しているレンジャーは南のレンジャー。ヌメノール人の末裔。なんかこう素早かったり強かったりするイメージ。
モルドール:ゴンドールの東にある暗黒の国。オークなどの闇の生物たちイパーイと、ラスボス在中。
オーク:悪者のしたっぱ的存在。醜く残忍で、誰でも襲って殺したり食べたりする。すげえいっぱいいる。
ハラド:ゴンドールの南にある国。浅黒い肌と黒い目髪の、残忍なハラドリムという人種が住む。ゴンドールとは昔から敵対してる。
指輪:ここでいう指輪は「一つの指輪」。ぶっちゃけるとすげぇパワーがつまった指輪で、ラスボスの作った物。ラスボスの元に帰るために持ち主を誘惑したり脅したりする。この指輪をどうにかしようとするのが原作「指輪物語」。