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薩摩の二英傑 第八話

※をマウスオン/クリックで標準語訳(適当)が出ます

【薩摩藩】中村 半次郎


『この書状を部屋に置いてこい』───と、主から命じられて奥へ向かっていた時のこと。

目当ての部屋の近くまで来ると、誰もいないはずのそこに人の気配がするのに気づいた。
以前ならば、こんなことがあれば不審者を疑って鯉口を切っていただろうが、今は無意識の笑みが小さく漏れるだけ。
少しだけ考えて、書状を持ったまま勝手処へ踵を返す。

「失礼しもす」

戻ってきて障子を開けると、小さな『不審者』が部屋の中でつま先立ちをしていた。
上席で正座をして畏まっているわけはないだろうと思ったが、それにしても予想外の格好に、もう驚かなくなっている自分が妙に可笑しい。

「半次郎さん」

文机の横で手を伸ばしたまま、ふと振り向いて、彼女はにこりと笑う。

「お茶でんいかがですか?」
「わぁ!ありがとうございます。ちょっと待ってくださいねー」

そう答え、再度上の方へ手を伸ばす彼女を不思議に思って見ると、どうも高い棚の上の物を取ろうとしているらしい。
無理に背伸びしているせいで、ぐらぐらと体が落ち着かない。今にも倒れてしまいそうだ。

「あっねど。待っちょい、取ったっで」危ないよ。待って、取ってあげるから

その背丈ではいくら伸び上がっても届かないだろう、と余計なことは言わずに、茶を置いて近づく。
彼女が自分のすぐ前で、もう一度振り向いた。

「ありがとうございます!じゃあ、あれを」
「あれ、か?」

見ると、片手に余るくらいの木製の玉が欲しいらしい。
なんなく取り上げて渡すと、彼女はぱっと笑顔になって、また礼を言った。

「そいは……」
「あ、やっぱり!これ地球儀だ!」
「ちきゅうぎ?」
「はい、ここにもあるんですねー!」

彼女は興奮気味にそれを両手で抱え上げた。
玉の表面には、彫刻や染色で様々な模様と文字が描かれている。

「そいは、こん世界の模型……じゃったか?」

問うと、彼女は笑顔のままこちらを見た。

「そうです。半次郎さん、知ってるんですか?」
「い、いや……おいも一度、大久保さぁに聞いただけじゃで」

正直、珍しい物を手に入れた主が機嫌良く語った話に相槌を打っただけで、実はよく分かっていない。
尺がどうの、精密さがどうの、新大陸の海岸線がどうのと、語られた難しい話はほぼ独り言に近かった。

「ここが日本、薩摩はこのあたりですよね。京がここです」

あの時の主と同じように、彼女は小さな絵に指を差す。
示された場所には、『大日本』の文字とは正反対の、こぢんまりとした小島。

「……こげんこまかもんとは、信じられん」……こんなに小さいものとは、信じられない

あの時は言えなかった感想を呟けば、くすりと笑う声がした。
物を知らなすぎて呆れさせてしまったか、と顔色を盗み見ると、真っ直ぐにこちらを見る視線とぶつかる。
顔が熱くなるのを感じたが、彼女は何も気にせずくすくすと笑い続けた。

「最初に見たときって、絶対そう思いますよね。京だって日本だってこーんなに広いのに。地球大きすぎです」
「は、はあ」
「ここが中国、こっちがアメリカ。ポルトガルやオランダはどこだったかな……たぶん、この辺です」
「この辺?」

大雑把な表現に、今度は自分の方が笑ってしまった。
途端に、むう、と口を尖らせて、もごもごと言い訳が聞こえる。

「だって、ヨーロッパって国がいっぱい集まってて分かりにくいんです!時代によっても国境が違うし!
 それに、わたしの世界ではEUっていうひとつの国みたいになってるんですよ」
「ひとつの国……こん辺りが、すっぺ?」ひとつの国……この辺りが、全部?
「そうです。あ、この長靴のところがイタリアで、このへんがドイツかな?アイルランドに、スコットランド。
 で、ここがイギリス。イギリスは薩摩と取引があるんですよね?船だと、ここからこう行ってスエズ運河に」

彼女は細い筋のように見える道をすっとなぞりかけて、ん?と考え込んだ。

「スエズ運河ってここでよかったっけ?マラッカ海峡とスエズとパナマがテストに出るのは覚えてるんだけど……」
「…………」
「あ、と、とにかく名前は忘れましたけど、ここに運河があって、そこを通って船でずーーっと来るんですよ」

所々狭い道をすり抜けるように示して、遠く離れた日本に辿り着く。ほぼ世界を半周するような距離に、知らず息が漏れた。
自分にはその遠さがよく分からないが、尺からすると薩摩から京までとは比べものにならない。先年、京に出てきた時は、随分遠くへ来たと思ったものだが……。
くるりくるりとちきゅうぎを回しながら、彼女がその軸の辺りを撫でた。

「この辺は極に近いから、夏になると太陽が沈まないそうです」
「太陽が沈まん?」

思わず訝しげな声を上げた自分に、小さく頷く。

「はい。ここでは一時期、ずっと明るいんです。朝の時間でも、夜の時間でも、お日さまが出たままで」
「そいは何か、不吉な兆しやなかとか」それは何か、不吉な兆しじゃないか
「いえ、そういうものじゃなくて、地球が傾いてるから起こるんです」
「傾いている……?地面が?」
「あ、えーと、うーん」

さっぱり訳が分からない、という顔をしてしまったのか、彼女はうんうんと唸りながら口を閉ざした。
一生懸命説明しようと頭を悩ませる様子に、余計なことを言ってしまったと後悔する。
だが、差し出口を叩いて申し訳ないと謝る前に、彼女はすっと立ち上がって自分から距離を取った。


【主劇】小娘


地球儀を持って、半次郎さんから少し離れる。
地軸が傾いてるから極近くでは太陽が沈まない、ということを説明するには、まず自転と公転から説明しなきゃだめだと思ったから。
わたし、歴史や地理は苦手だけど、地学や科学は大好き。目に見えない物質や、見えている姿とは違うものを解き明かす理論に、科学者の人はどうしてそんなことを思いつくんだろうっていつも思ってた。
地学の授業や科学雑誌を思い出しながら、わたしは手の中の地球をかざして、不思議そうな半次郎さんを振り返った。

「例えば、半次郎さんがお日さまだとしますね」
「は?」
「半次郎さんがお日さまで、わたしが地球。この地球がお日さまから光をもらっています」
「……はあ」
「地球は、太陽の周りを回っています。こうやって」

ぐるぐる、と呟きながら、半次郎さんの周りをぐるりと回る。

「こうやって一周すると、一年です」
「一年……ぴったり一年とな?」
「ぴったりというより、一周するのが一年って決められてるんです」
「は、はあ」

半次郎さんはよく分からない顔をしていたけど、そこはただの決まりですからと付け足しておく。

「それで、地球は太陽の周りも回ってますけど、自分自身も回ってるんです。自分が回りながら、太陽の周りを回る。
 太陽の方を向いてる時が昼で、裏側になる時が夜。一周する間に、365回。365日経つと一年で、また元に戻る」

今度は、手に持った地球儀をくるくる回しながら、また周囲を回った。
半次郎さんがわたしに合わせてくるんとターンするのが、おもしろい。なんだかダンスみたい。

「でもほら、太陽に対して、地球の回る角度が傾いてるでしょう?季節や日照時間が変わるのはこのせいです。
 だから、一年の間でこの状態の時は、この辺の地域では一日中お日様に照らされ続けるんです」
「一日中、照らされ続ける……」
「はい。白夜って言います。わたしも実際見たことはないんですけど、本当に夜も明るいそうです。変な感じですよね」

わたしが説明できるくらいだから、話としては難しいわけじゃないけど、きっとそれが実際に起こることだという現実感がないんだろう。
半次郎さんはまるで外国語を聞いているかのように、眉をひそめたり首を傾げたりしている。
そしてふと、目の前の地球儀から目を上げて、わたしの方を見た。

「……そうすっと反対に、昼も暗い、なんちこっなありもすか?」

あっ、それも聞いたことある。確か、逆の条件の時は昼間も暗くなったはず。
わたしはもう一度うなずいた。

「たしか、極夜、って言ったと思います。一日中暗いか薄明るいくらいで、オーロラが出やすくなるんです!」
「おーろら?」
「あ、えっと、空いっぱいに光のカーテン……薄い布みたいなものがかかって、それがゆらゆら揺れるんです。
 赤とか緑とかいろいろな色に光って、すっごく幻想的で綺麗なんですよ!一生に一度でいいから見てみたいですー!」
「空いっぱいの、光の、かーてん……」

オーロラ観測はやっぱり、永遠のロマンだよね。
ものすごく寒い日に出るらしいから、ちょっと現実には耐えきれるか分からないけど……もし機会があったら行ってみたいな。きっと、すっごくきれいだろうなぁ……。
ぼーっとそんなことを考えていたら、半次郎さんがぽつりと呟いた。

「……行っがな場所なら、よかしたんじゃが」行ける場所なら、良かったんだが

え?行ける場所?なんの?
───まさか、オーロラ観測?

「えっ!いえ、すっっごく遠いですから、そうそう行けないです!」
「どげん辺りで見らるっとか」どの辺で見られるんだ
「え、ええと……フィンランド、アイスランド、カナダ、アラスカ……くらいでしょうか?」

地球儀を差すと、近づいてきた半次郎さんが、真剣な顔で覗き込んだ。

───あ。顔が、近い。

今更言うのも何だけど、半次郎さんって、整った顔立ちしてると思うんだよね……。いっつもにこにこしてるから全然目立たないみたいで、女中さんたちのガールズトークではまったく出てこないんだけど。
大久保さんとか今津さんとか、あと藩家老の小松様とか、ああいう顔も服装も動作もキレイ系の美形がやっぱ目立っちゃうんだろうなぁ。
特に今津さんなんか、そういう話が出ると必ずと言っていいほど話題に上る。女中さんたちの結論としては、地位もルックスも趣味の良さも大久保さんの方が上だけど、性格と人当たりの良さと女性に優しい態度、それに代々のお血筋を考えたら今津さんが一番なんだって。

うーん、わからない。大久保さんが敬遠されるのはすっごくよくわかるけど。
どっちかっていうと今津さんも、大久保さんに性格近いと思う。分かってるくせにすまし顔でとぼけるとことか、冗談が冗談になってないのを態度でごまかしてるとことか。
あの人きっと、けっこうビジネスライクっていうか、厳しい人なんじゃないかな。もちろん、地位の高い人としては長所なんだろうけど、優しいのとは違うような……。

個人的には、優しいとか性格がいいって言ったら半次郎さん一択だと思うんだけど、だーれもそんなこと言わないんだよね。不思議。
やっぱ、女中さんたちからすると地位や家柄が重要なのかなぁ。ん、そういえば半次郎さんって、藩ではえらい人なのかな??

つらつらと意味のないことを考えながら、まだ地球儀を見続けている横顔を眺める。
半次郎さん、ほんと真剣な顔してるなー。こんな近くで見ることってあんまりなかったかも。
まつげも下まつげも、意外と長い。前髪がちょっとぱさぱさしてる?今度トリートメント貸してあげよう。
あ!今まで気づかなかったけど、すっごい小さい泣きぼくろがある!泣きぼくろある人は泣き虫だって言うけど、ほんとなのかな。
半次郎さんが泣き虫……もしそうでも、驚かない気がする。ふふ。

「近か」
───っ!?」

突然呟かれた言葉に、心を読まれたような気がして、わたしは反射的に顔を離した。
無意識に泣きぼくろに伸びてしまっていた指を、危ないところで引き寄せる。
───は、恥ずかしい!わたしついに、顔を見られなくても読まれるようになっちゃったの!?
そう思ってどぎまぎしたけど、不自然に仰け反った体勢を見て、半次郎さんは不思議そうな顔をした。

「どげんした?」
「い、いえあの、」
「あらすか?なら近か、日本のすぐ側にあっね。行っきっやなかとか」あらすか?なら近い、日本のすぐ側にある。行けるんじゃないか
「あ……そっちか……」
「ん?そっち?」
「い、いえ!でも、アラスカも外国ですからね。それにこっちではどうなってるのか分からないし、危ないです」
「じゃっか」そうか
「はい。オーロラが見られる時期も分からないし、それにものすごく寒いんです。よく知ってる人がいないと死んじゃいます」
「そげんもんは、探せばよか」そんなものは、探せばいい
「え?」

驚いて見ると、半次郎さんは何でもないように笑って、わたしの頭を撫でた。

「薩摩には異国の知己も多か。関係者もいっぺおっと。一人くれ、おーろらの国の人間もおっじゃろ」薩摩には異国の知己も多い。関係者もたくさんいる。一人くらい、おーろらの国の人間もいるだろう
「え、でも、お仕事の関係者……ですよね?私用に使うなんて、とんでもないっ」
「ははは。お嬢さぁがそこずい憧れとっなら、皆喜んで力ば貸っやろかい」ははは。お嬢さんがそこまで憧れているなら、皆喜んで力を貸すだろう
「もう!半次郎さん、からかわないでください!」

お仕事の相手に、遊びの相談をするなんて!
大久保さんとかえらい人ならまだしも、ただの居候の希望なんか、申し訳なさすぎるよ。
間違ってもそんなことしないでくださいね、と念を押そうとした時、後ろから障子が開く音と不機嫌そうな声が聞こえた。

「人の部屋で何を騒いでいる」

振り向くと、大久保さんがちょっと憮然として立っていた。
半次郎さんが慌ててかしこまるのに、ふんと鼻を鳴らす。

「半次郎。書類を置くのにどれだけ時間を掛けている」
「も、申し訳あいもはん」
「ごめんなさい!わたしが話し込んじゃったんです!」

半次郎さんにならい、わたしもぺこりと頭を下げる。
うう、お仕事の邪魔しちゃった。奥までわざわざ戻ってくるってことは、急ぎなのかな?
そう思ってひやりとしたけれど、大久保さんはそれほど急き立てることもなく、部屋の中程まで来て腰を下ろした。

「何やら小娘に似合わぬ高尚な話をしていたようだが……指南役が小娘で門下生が半次郎では、折角の学問も台無しだな。
 どれ、もう一度最初から話してみせろ」
「ひどい、なけなしの知識を総動員したのにー!それが教わる態度ですか!?」
「なけなしだからこそ、だろう」
「そもそも、わたしの知ってることなんか、大久保さんだって知ってるでしょう?」
「このような分野には、私はそれほど造詣がない」
「え?そうなんですか?好きそうなのに」
「……政に関わる話や、百歩譲って諸外国交渉に必要ならば学ぶ価値もあろうが、こんなものは所詮四方山話だろう。
 茶の添え物にしかならん」
「そ、それは確かに、実益はないかもしれないですけど!ロマンなんですよ!」
「ろまん?訳が分からんな。理に適っているか私が判断してやると言っているんだ、さっさとやれ」
「ううう……」

こんなに上から目線で教えろって言える人も貴重だよね!ここまでくると!!
わたしはぷんぷんと肩をいからせながら、さっきと同じようにぐるぐるまわってみせた。やっぱりわたしに合わせてターンする半次郎さんに、せっかくの怒りが半減しちゃったけど。
説明する間、大久保さんはつまらなそうな様子で、半次郎さんが淹れてくれたわたしのお茶を勝手に飲んでいた。

「まるで宣教師張りの講釈だが……それは本当の話か?」
「え?太陽と地球の話ですか?」
「そうだ」
「うーん。わたしの世界では今のところ、そうだってことになってます」

そう答えると、大久保さんは呆れたような顔をした。

「本当かどうかも分かっとらんのに、他人に講釈したのか?」
「えっ。本当でないと、だめなんですか?」
「小娘……」

呆れを通り越して苦笑いされるのに、逆にびっくりする。
だって、科学ってそういうものだよね?

「で、でも、宇宙のことで本当かどうかって、すっごく難しいような……。月くらいなら行った人もいますけど。
 それに、本当かどうか分からないけどきっとこうだって信じてみるのが、科学なんですよ?」
「信じてみる……か」
「はい。その結果、学校の教科書に載ってることが『今年から変わります』ってなったこともあります」
「そんなことでは、学ぶ者が混乱するだろう」
「んー、暗記しなおすのは大変ですけど、おもしろいです!新しい発見って、正しくても間違いでもわくわくしませんか?」
「小娘のように呑気であれば、そうだろうな」

はぐらかすように言って、大久保さんはわたしの持っていた地球儀を取り上げ、じっと見る。
なに、考えてるのかな。お仕事のこと?それとも、宇宙のこと?
あんまり詳しくないのにえらそうに言ったから、いい加減だって思われちゃったかなぁ。
横で膝をついている半次郎さんをちらっと見ると、大丈夫だという風に笑ってうなずいてくれた。

「小娘。今日はこれから、時間はあるのか」
「え?」

あわてて、半次郎さんから視線を戻すと、大久保さんが眉間に皺を増やして繰り返す。

「半下仕事やら洋菓子作りやら、すべきことはないのかと聞いている」
「えっ、ああ、特にやることはないです」

だからこそ、大久保さんの部屋の探検とかしてたんだし。
でも、洋菓子作りはすでに『すべきこと』に入ってるのか……。大久保さん、気に入りすぎです。

「ならば、もう少し聞かせろ」
「へ?」
「何度も言わせるな。『科学』とやらの話を聞かせろ。半次郎、表に連絡するついでにちゃんとした茶を淹れてこい」
「承知しもした」
「え?え?」

話についていけずあたふたと焦るわたしに、半次郎さんが笑いをかみ殺しながら、『こげん話はなごなっで。大久保さぁ、こん手の話な夢中にないなさんで』こういう話は長くなるぞ。大久保さん、この手の話は夢中になりなさるからなと囁いた。
どういうこと?学ぶ価値もない、んじゃなかったの?

「まず、そうだな。昼と夜の定義、一日と一年の定義、地軸の傾きの角度、距離。太陽と地球の関係。
 それから、地球の動きに月がどう関わっているか、それに月へ行った者の話も聞かせてもらおう」

嬉々として細かい話を挙げ始める大久保さんに、わたしはぽかんと口を開けたまま。
はたして一体、自分の知識が足りるだろうか?とぼんやり考えていた。

 

つづく?

 

 

 

 

大久保さんはきっと、科学とか大好物と思います。
新しい知識とかロマンとか冒険とか、そういう少年みたいなものが実は大好き!なイメージ。表向きは実務の知識以外は戯れだ、とか言うと思うんですけど、研究者肌なので聞き出したら止まらない。『ええい、地軸の角度を知らぬとはどういうことだ!それがなければ白夜の分界線が割り出せぬではないか!実際の範囲と計算上の範囲が合っているか検証しなければ意味がなかろう!』みたいな。
まあ地軸の角度は23.4゜と覚えやすいので、小娘ちゃんも知ってると思うけどw

そして半次郎。この後の書き溜めてある話とかトータルで見て思ったんですが、この人は上下の箍を外したらもう小娘ちゃんが好きで好きで、素でなんでもしてあげるのが当たり前、どんなことでも安請け合いし、しかも本気でやるつもり……という純粋で厄介な人なんだと思います。(うち仕様の話ですが)
オーロラ見てみたいですよねぇ、と一言言えば、下手すると行く手はずが整えられちゃうみたいな。まあ大久保さんもそういうところありますけど、彼は分かっててやってて、半次郎は何も考えず本気で言ってる気がします。

自分が役に立てることがあるならば、なんでもやるのが当たり前、な一直線な半次郎が好きだ。
もともと大久保さんに対してだけそういう風だったのが、小娘ちゃんにも向いちゃったので、心のどこかで大久保さんがほんのちょっと複雑になってればなおいいと思いますw
大久保さん→小娘←半次郎と、小娘←半次郎→大久保さんが、微妙なバランスとか。だめですか。そうですか。

 

 

【ツールチップが使えない場合用の薩摩弁解説リンク】

危ないよ。待って、取ってあげるから

……こんなに小さいものとは、信じられない

ひとつの国……この辺りが、全部?

それは何か、不吉な兆しじゃないか

行ける場所なら、良かったんだが

どの辺で見られるんだ

あらすか?なら近い、日本のすぐ側にある。行けるんじゃないか

そうか

そんなものは、探せばいい

薩摩には異国の知己も多い。関係者もたくさんいる。一人くらい、おーろらの国の人間もいるだろう

ははは。お嬢さんがそこまで憧れているなら、皆喜んで力を貸すだろう

こういう話は長くなるぞ。大久保さん、この手の話は夢中になりなさるからな