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お礼メッセージ第四弾(8種)は
「遙か3十六夜」ネタバレですので、以下はOKな方のみスクロールしてください。














拍手ありがとうございました!お礼メッセージ第四弾

<遙か3十六夜記 温泉イベントその後>

一部、ゲームの温泉イベント時にいるはずのない人も混じってますが、その辺はパラレルでお楽しみ下さい。
一部、2パターンある人も混じってますが(銀バージョンと重衡バージョン)、その辺も気にせずお楽しみ下さい(笑)
とても簡単な温泉イベントの説明
温泉に入っていると、男湯に女湯の声が聞こえてきた。
朔「一番気になる人は誰なの?」
神子「えーっと……」→選択肢
男どもは一気に耳ダンボに(笑)本来は九郎のイベントで他キャラは短い会話のみですが、こんなおいしいイベント、他キャラも欲しい!ということで書きました。

 

 

「先生…かなあ」

照れたような声が男湯に響いてくると、周りの人間は皆、彼に視線を集中させた。
人によっては複雑そうな、人によってはからかうような視線を真っ向から受け止めて、彼は淡々と湯に浸かっている。

「リズ先生のほうは、どうなんだい?」

少しだけ挑むような口調の彼にそう聞かれても、彼の表情は微塵も変わらなかった。ただ、八葉が神子を案ずるのは自明だ、と常識を説くように言っただけだった。



ぱたぱたと、女湯から走ってくる音がする。
外で待っていた誰もが予想したとおり、走って現れたのは白龍の神子の方で、その後から朔が『髪をちゃんと拭きなさい』と諫めながらついてきている。
大丈夫だよ、暑いし、と答える彼女の髪から雫が散って西日に輝き、その光景に皆が言葉を詰まらせた。

「みんな、お待たせー。……あれ、どうかした?」

妙に沈黙している彼らに問うと、何人かが慌てて首を振る。
無造作に髪を留め上げながら、彼女は不思議そうに首を傾げた。

「もう、暑くたってだめよ。日が落ちれば風が出てくるんだから、風邪を引いてしまうわ」
「大丈夫だって、すぐ乾くもん。それよりのど乾いたー」
「ちゃんと乾かさないと駄目ですよ、先輩」
「姫君、熊野は寒暖の差が激しいからね。オレと散策できなくなってから後悔しても遅いんだぜ?」

朔や八葉が気遣わしげに言っても、神子はいたずらっぽく笑って逃げ、将臣が持っていた茶碗の中身を嗅いでみたりしている。
じゅーすじゃない、と不機嫌そうに言ってそれを遠ざけた彼女にため息をついて、朔はふと彼に目をとめた。

「……先生。先生からもこの子に言ってやって下さいな」
「!さ、朔!」

慌てて振り向くと、朔はくすくすと意味ありげに笑っている。
きっと淡々とした調子で、『神子、人が思いやってくれる気持ちを無駄にしてはいけない』などと諭されてしまうのだと思って、神子は思わず首をすくめた。
朔〜、恨むよ〜、と心の中で呟きながら、ちらりと彼を見上げる。

「………………。」

だが、彼は無言で彼女を見つめると、朔に歩み寄って手ぬぐいを受け取った。

「へ?」

ぽかんと呆気にとられている彼女の髪をほどき、ふわりと手ぬぐいをかぶせる。
髪を傷めることがないように、丁寧に撫で梳いていきながら、彼は遮られて顔の見えない神子に囁いた。

「神子。人が思いやってくれる気持ちを無駄にしてはいけない。おまえが体調を崩したら、皆が悲しむだろう」
「は……ハイ……」

それは予想に違わない台詞だったけれども、どこか予想とは違う気がして。
神子は蚊の鳴くような声でそれだけ言うと、湯の中よりも火照った顔を隠すために俯いた。


「……あれって、何。惚気てんの?それとも見せつけてんの?」
「やっぱりなかなか、油断がならないということではないですか」

苦々しい顔の頭領と、表面は何も変わらない軍師がひそひそと話す向こうで、何も気づかない大将が『さすがは先生だ』と大きく頷くのが見えた。

 




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